人生という物語

やりたいことって、必要なんだろうか?

僕は、やりたいことを見つける理由は幸せになるためだと思っている。だって、やりたくないことをやるより、やりたいことをしていた方が人生楽しいだろうから。けれども、「やりたいことがある?」と聞かれて答えられる人は多くないと思うし、むしろ分からなくて答えられない方が多い気がする。

やりたいことを考えるきっかけって、実はそう多くない。中学、高校、そして大学進学時に何処で学ぶかを考える時ぐらいだろう。その結果、大学卒業(学生という職の終了)を前にして自分は何をしたいのか真剣に悩み、考える。そう、やりたいことを考えるきっかけって、聞かれる回数に比べたらとても少ないのだ。

やりたいことを無理矢理見つける

自宅に就活関連のチラシが届いたり、仕事の特集などがテレビに流れる度に、両親から「来年就活だけどどうするの?」「将来は何がやりたいの?」と聞かれるようになった。「これはもう逃げられれないな(笑)」と思い、初めて真剣に考えないといけないなと腹を括った。それが20歳の夏(大学3年生)。やりたいことを考えるきっかけだった。

やりたいことを考えていた時に、一つだけ思いついたことがある。それがゲストハウスだった。大学2年の春休みに、友達が北海道を旅行している様子をSNSで見て、「そういえば北海道行ったことないな」と感じ、3日後には一人旅をスタートした(本当に後先考えない性格だと思う)。

北海道を満喫するには宿にお金をかけていられないと思い、一泊3000円ぐらいの宿を見つけ、「ラッキー!」と思い予約したのが僕とゲストハウスの出会いだった。そこには外国の方がたくさんいて、僕と同じく、一人旅をしている学生が多かった。「値段は安いのにめちゃくちゃ面白い宿泊体験だ」とものすごい影響を受け、就活のタイミングでやりたいことと向き合った僕は、「そうだ、あの時感動したゲストハウスを自分でも作りたい」と、色々な選択肢がある中で思い浮かんだ思い出を、バカの1つ覚えみたいに「やりたいこと」にした。

ゲストハウスを作りたいと決めた当日、僕は一年半ほどバイトをしていたスポーツショップの店長に「やりたいことがあるのでやめます」と言って辞めた。急な退職だった。ゲストハウスを作るために、僕はゲストハウスでバイトしようと考えた・・わけだが、英語が必須だった。英語が喋れない僕は、やりたいことのためにバイトを辞めたものの、新しい職に就けず、しばらく無職になってしまった。失敗だった。

ロックヒルズガーデンとの出会い

夏休みを前にして、「無職はまずい!」と思い、とりあえず短期でもいいやと思いでバイトを探した。そしてたまたま、友達(ほとんど話したことのない高校の友達)
のSNSに流れていた求人情報に行き着いた。ロックヒルズガーデン(以下RHG)だった。友達から、屋上BBQ事業だよって聞き、「なんだBBQか」と、とりあえず一か月くらい、たくさん入ってたくさん稼ごう、と思い面接に行くことを決めた。RHGに足を運んだ僕は、ここで価値観が変わることになる。

そこには、休学して世界一周している学生もいれば、消防士という職を辞めてRHGの店長をしている人もいた。「屋上BBQ場」なのに、なんでこんなにも、やりたいことをやっている人が多いんだろう、やりたいことと向き合う人が多いんだろう、そんな衝撃を受けた。

RHGは、「場づくり」をしている株式会社ファイアープレイスが運営している事業の一つ。ヒトとヒトがつながるきっかけ作りで事業展開をしている会社だ。何かと、誰かと、つながるきっかけは人それぞれ。きっかけは楽しい方がいい。BBQはつながる手段。RHGは、BBQというポジティブな事業を通じて、生産者と消費者、学生と社会人など、色々な領域で「つながるきっかけ作り」に挑戦していた。場づくりを学びたい。誰かとつながりたい。つながりを実践したいヒトが集まってくるから、主体性のあるヒトが多いのだと気付くことができた。

店長と面接したとき、「将来なにかやりたいことあるの?」と聞かれて、「ゲストハウスを作りたいです!」と言ったとき、「君もあれか、就活しない組か(笑)」と言われたことを今でも覚えている笑。RHGはそんな「場」だった。

人生は物語

僕はRHGで働くようになった。

短期で稼ぐためにBBQのバイトをしに来たつもりが、いつの間にか、川崎のまちづくりや、ヨガコミュニティの運営など、様々な「つながり」のお手伝いをするようになっていた。地元や大学と違って、普段関わることのないコミュニティの人たちと会うことで、僕の価値観は次第に変わっていった。将来、ゲストハウスを経営するなら、お店のマネジメントや集客など、学ぶことしかないと考え、RHGの店長になりたいと思うようになった。そして、休学という選択肢を知った僕は休学してやりたいことに挑戦しようと決意した。「店長をやりたいです!」と、当時の店長と弊社代表に伝えた。それから数日。実績も何もない学生の僕は、RHGの店長をやらせていただくことになった。

学生で店長!?もっと、今だからできることとか、他にあったんじゃない?就職して、社会に出てからでもいいんじゃない?両親や、周りの友達に沢山言われたけれど、「やりたいと思った時にやる、やりたいからやる」、理由はそれだけで十分だった。もしあの時、ゲストハウスをやりたいって決めていなかったら、選択肢が多すぎて何も行動を起こせなかったと思う。偶然なんかじゃない。僕が選択して決断したからこその結果だった。

現時点では、この選択と決断が正解かどうかなんて分からないし、今やっていることが今後の人生を豊かにしてくれるかなんて分からない。けれど、この経験は自分の人生という物語を豊かにしてくれたと確信を持っている。だからみんなも、やりたいことが見つかったら、とことん挑戦して失敗すればいい。

人生には、2種類の物語があると思う。

・最後数ページでようやくやりたいことを見つけて終わる物語。
・序盤にやりたいことを見つけていろいろな体験をしていく物語。

自分には、ページがあとどれくらい残っているのか、わからないけれど、せっかくなら色々な経験をして面白い人生を送りたい。口で言うほどやりたいことを見つけるのは簡単じゃないことは分かっている。でも、きっかけさえあれば見つかる。僕だってたまたま旅行して見つけただけだ。そのきっかけは、誰にだって平等に存在する。そして、僕が店長をやっているRHGに来てくれたら、僕とメンバーが作る。きっかけに溢れる場にすると約束する。

もしまだ見つかっていないなら、RHGに来て欲しい。やりたいことを一緒に見つけて、豊かな物語を描こうよ。

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